2024年10月18日金曜日

夢幻泡影(蓮)

日が短くなってきた

子供の頃から朝が好き
冬は部活がある日が嫌で嫌で、
変わっていく空を電車の窓から眺めて、暗がりから逃げるように家路を急いだ

寒いのは好きだけど、暗いのは怖いんだもん


でも夜に踊る時
すっと闇に紛れられる
私の頭と身体をすっぽり飲み込むと、
たまに降り注ぐオレンジ色の灯りを餌にして、
私の肉だったものを動かすんだ 狡いやつ!

狼狽する

影の中で私は
いつも以上にお喋りな私の頭の中の話を聞いてみる
それで、いつも黙らせてごめんねって謝りながら
やっぱり聞いてるような素ぶりだけする

また、ちょっとだけ狼狽する

だんだん「自分」の濃度が希薄になる
すると、今度はあちこちから
床の下から、玄関の向こうから、私の斜め左後ろをずーっと先にいったところから
声にならない声がする


自分と暗闇の間に残った、ほんの少しの自我が
声を頼りに踊り出す なんだか不細工

あっちにふらふら、こっちにふらふら
酔拳じゃないよ 目は冴えてる

だだっ広く広がる宇宙がいつの間にか腕の中にあるから、アタシなんかが失礼しますネ、って言う
言い終わる前に、いなくなる 


そんで、最後にもう一回狼狽える

そしたら、鳥が鳴き出したりする 朝じゃん!


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