久しぶりにピアノを弾いたら、頭では全く覚えてない曲を指が勝手に弾きだしました。
半年くらい弾いてなかったから、全然指が曲のテンポに追いつかなくて音が飛ばし飛ばしになります。
でも、どこへ行けばいいか10人全員が分かっていて、私が介入せずともショパンが奏でられていきます。駅とかカフェにたまにある自動演奏グランドピアノみたいに、どこからともなくメンデルスゾーンが聞こえてきます。
私はそれを、つっかかったり音が飛んだりする下手な演奏だなと思いながら、傍観します。
身体が覚えてる、というのは、私が二分して片方が脳から四肢に移動する感覚です。
私はかつて、私というものは必ず髪の毛や頭蓋骨の先にある柔らかい部分に存在するものだと思っていました。
けれど、ピアノを前にすると、私の四肢は脳の制御を超えて演奏を始めます。私が宿った指は、勝手に叙情的な抑揚だってつけます。
脳の無意識領域的なものが作用してこの状態になるんだろうな、ということは何となく理解しています。
フロイト?ユング?的な。
かつて意識下だったものが無意識下に移動したんだろうな、みたいな。
だから、自動演奏状態になった時、私はなんとなく嬉しくなります。
確かな蓄積が実感できるからです。私が16年ピアノをやってきた事実を実感できるからです。
途中でやめずにちゃんとやってきて良かった〜って感じ!これからもこう思える事を増やしていきたいな🌟
四肢が勝手に演奏している時、私はこの曲を意識下で弾いていた時のことを思い出すことができます。
譜読みの時フラットがつく音全部に赤く目印をつけたときのことを、先生に何度も止められながら最後までたどり着くのに何十分もかかった時のことを、ピアノのことをいっぱい考えてた日々のことを。