銀座 Black Heart

2025年12月2日火曜日

我らパンドラなり(アイラ)

季節より一歩だけ早足のサンタがやってきた。



まだ街のイルミネーションも助走の最中というのに。差し出された大きな箱に、胸の奥がそわりと揺れた。



「12/1ですから」
と添えられたそれは、アドベントカレンダーという名の魔法である。



包装紙はゴールドと赤のリバーシブル。
まるで夕焼けの海のようで、
思わず指先で光の名残をたどってしまった。





Photo by クララ嬢(テキーラの妖精)



キャスト達よ、喜べ。
一人一つは必ず行き渡る。
慈悲深きサンタは誇らしげに宣言した。



しかしである。
アドベントカレンダーを前にした大人ほど、
子どもじみた悩みに陥る生き物も珍しい。







今日の扉を開けるべきか、明日まで我慢すべきか。
隣のキャストは何を当てたのか。



そんな些細な葛藤が、冬の始まりをひそかに賑わせていた。



さて、明日の扉はどうしたものか。



アイラ(大感謝)

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