銀座 Black Heart

2025年10月7日火曜日

夜の蜜(みか)

夜、ひとりで過ごす部屋に、さつまいもの甘い香りが満ちていく。
その香りはどこか懐かしく、けれど不意に胸の奥をくすぐるようで、私は少しだけ呼吸を浅くする。

オーブンの中で、芋の皮がゆっくりと裂ける音。
小さく滲む蜜が、光に濡れている。
あの柔らかさを指先で確かめたくなる衝動を、私は抑えきれない。

皿に移すと、まだ熱が生きている。
指先で触れると、わずかな湿りと熱が伝わって、
まるで心を覗かれているような気がした。

ひとくち噛むと、甘みが舌の上で蕩け、
そのままゆるやかに身体の奥へ落ちていく。
甘さは決して子どものお菓子のようではなく、
どこか秘密めいた、成熟の香りを持っている。

秋は、こうして人を少しだけ狂わせる。
冷たい空気に包まれながら、温もりを求める。
その温もりがただの焼き芋であっても、
今夜の私は、それに酔っていた。



さつまいも有名なのって茨城でしたっけ?
焼き干し芋って本当美味しい
天高く馬もあーしも肥ゆる秋だもん
茨城の温泉入りながら焼き芋食べたい

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